イベント開催報告
【2024年3月特別イベント】清酒「桜川」の醸造元 辻善兵衛商店を訪問
東京地方の桜(ソメイヨシノ)の開花宣言(3月29日)の翌日の3月30日(土)13時~15時過ぎまで、栃木県真岡市に有る、1754(宝暦4)年創業の辻善兵衛商店(桜川、辻善兵衛ブランド)を団員と一般参加の方、合計8名にて酒蔵見学を実施しました。
辻社長(杜氏)とは、4~5年前に文京区千駄木にある90年以上の歴史のある「鰻と地酒 稲毛屋」さん主催の日本酒の会にて、辻善兵衛さんを取り上げ、辻社長がお越しになった際にご縁を頂き、当団としての酒蔵見学の希望をお願いしておりました。しかしながら、2020年春からのコロナ禍により、酒蔵見学が実質的に不可能になったため延び延びになり、ようやく3年越しで実現することが出来ました。
辻善兵衛さんは、元々、近江商人だった先代が、関東に下野し、日本酒を造りを目指す際に現在の栃木県真岡市の水質が素晴らしいとして、この地で創業しました。
水源は、鬼怒川水系の地下水(伏流水)を地下50メートルから直接汲み上げて利用されています。水質は軟水です。創業当時は醤油等も製造していましたが、その後、普通酒(一般に飲まれる)主体の「桜川」ブランドにて、最大生産量は1,000石程までになっていましたが、その後、日本酒の消費量が減少の一途辿る中で、普通酒を止め、特定名称酒のみに特化し「辻善兵衛」ブランドで生産を続けていらっしゃいます。現在の生産量は、僅か150石程度。従業員は実質なしで、辻社長(杜氏)、奥様、そしてパート複数名のみでの生産されています。
酒質は、軟水由来の柔らかさとなめらかさがあり、中盤に旨味がほのかに膨らみ、後半はキレの良い、食中酒に最適のスペックとなっています。また、全国新酒鑑評会にて昨年まで9年連続金賞を受賞され、知る人ぞ知る素晴らしい酒蔵です。(今年の新酒鑑評会でも金賞を目指し、10年連続の金賞受賞を狙っています)
辻善兵衛商店HP
https://www.nextftp.com/dotcom/sakuragawa/
見学では、まず辻社長から同蔵の成り立ちや特徴を説明頂き、その後、造りを終えたばかりの酒蔵を見学させて頂きました。生産量が150石程度になったため、従来活用していた大型タンクは全て撤去し、小振りのタンク8基のみで造り分けを行っています。自家製米→洗米→浸漬→蒸米、麹室、培養タンク、佐瀬式絞り機、瓶充填、瓶火入れ機、保管庫が1階(地上)に全て備わっており、作業動線はフラットで効率良く配置されています。
その後、売店及び資料館を兼ねた「地酒館」に移動し、お待ちかねの試飲となりました。
フラッグシップの大吟醸から純米酒まで8種程度を、辻社長の解説を頂きながら、味わいました。
酒質がなめらかで柔らかく、ほのかの旨味とキレの良さのため、飲み飽きしない素晴らしい日本酒です。
あっという間の2時間超、辻社長の丁寧な案内と説明にて、同蔵を見学・試飲することが出来ました。
(お土産用の日本酒も参加の皆様が各々購入しました)
その後解散し、一部有志は隣接の城山公園を散策し、開花がまだ(僅かに一部開花)の桜(ソメイヨシノ)を愛でながら、
辻善兵衛さんの日本酒を愉しみました。
末長く応援したい酒蔵の1つです。
※当団は、偶数月第一木曜日に定例会、奇数月は基本的に酒蔵見学等その他各種イベントを計画しております。
文責 副理事長 對間勝己
NPO法人
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